今、できること

 昨日、震災をテーマにしたワールドカフェに参加した。

 

 被災地への支援を、何かできないか。誰しも考えたことだと思う。

 私も、毎日流れる被災の状況を見て、自分が日常に在ることに嫌悪感する抱くような思いにも駆られた。でも、阪神の教訓が生かされ、一般市民がすぐに現地へ出向いたりするなどの行動は控えられたようで、支援活動に対して慎重に対応していたように思う。これは、とても大事なことだと私は思う。阪神のときに、友人が被災した。家族とのコンタクトがどんなに大変であったか。支援に向かう人々の渋滞や混乱が、より困難な状況にしていたのかを直接聞いていたので、しっかり頭に残っていたようである。仲のいい友人への連絡も、家族が優先と我慢したのを覚えている。状況が落ち着いたら連絡をくれた。これでいいと思うのだ。

 待つ、ということは大変である。自分自身の中に起こる、様々な葛藤と闘ったり、心配したり、感情が揺れ動くことは、人間が故に起こることなのだ。この苦難に耐える。これは、立派な「今、できること」だと思う。

 何かしたい。支援したい。役に立ちたい。気持ちは大切。でも、支援する、人のために何かをする、なんてことは、そんなたやすいことではない。支援しようとする者は、どれほど謙虚でなくてはならないことか! 

 自己満足だけでない支援を考えたとき、一体今の自分に何ができるのか。

 やはり、今を一所懸命生きる。被災された方たちと同じに。日常を懸命に生きて、その上でできることが「今、できること」だと思う。日常を日常として過ごすことができることのありがたさを感じている人も少なくないだろう。

 日々、生かされていることに感謝し、日常の生活に在ることができることに感謝し、復興への長い道のりを見据えて、今何ができるのか、考えたい。

 

by ayu